教育と子どもの世界統計
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「教育分野別教育費及び生涯学習関連費(知事部局所管施設分)」を読む――表の構成と年度区分の読み方

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「教育費」の統計は、どの所管かで分かれている

文部科学省の地方教育費に関する統計には、「教育分野別教育費及び生涯学習関連費(知事部局所管施設分)の総額」という表が用意されている。表名がわざわざ「知事部局所管施設分」と断っていることが、この統計を読むうえでの出発点になる。地方自治体の教育に関わる支出は、教育委員会が所管する分と、知事部局が所管する施設の分とが同じ枠に混ざっているわけではなく、別に集計された表として並んでいる。

したがって、この表の数字は「地方自治体が教育に使ったお金のすべて」ではない。あくまで知事部局所管施設分という切り取り方をした総額である。どこまでが数えられ、どこからが数えられていないのかを、表名から確かめてから読み始めたい。

「生涯学習関連費」が並んでいること

表名のもう一つの手がかりは、「教育費及び生涯学習関連費」という並びである。教育費だけでなく、生涯学習に関連する費用が同じ表のなかに置かれている。つまり、この統計が扱う範囲は学校に関わる支出だけとは限らない。

さらに「教育分野別」という区分がある。総額が一本の数字で示されるのではなく、分野ごとに分けて示される構成になっている。どの分野にいくら、という形で読めるのがこの表の性格であり、逆に言えば、分野の区分の仕方を確かめないまま総額だけを取り出しても、その数字が何を含んでいるのかは分からない。

実額の表と構成比の表が対になっている

この統計は、年度によって表の構成が異なる。今回参照した表の範囲では、2015年度分(201504-201603)、2016年度分(201604-201703)、2017年度分(201704-201803)が、「総額1 実額」と「総額2 構成比」という二つの表に分かれて公開されている。

一方、2011年度分(201104-201203)、2012年度分(201204-201303)、2013年度分(201304-201403)では、「総額」という一つの表として公開されている。なお、今回の一覧には2014年度分(201404-201503)に当たる表が含まれていない。したがって、どの年度を境に構成が変わったのかは、この一覧だけでは確かめられない。実額と構成比が別表に分かれているかどうかが年度によって違う、というところまでが、ここで言えることである。

実額は規模を、構成比は分野間の配分の重心を示す。同じ「教育分野別」の表でも、この二つは答えられることが違う。分野ごとの金額の大きさを知りたいなら実額の表を、どの分野に厚く配分されているかを見たいなら構成比の表を開くことになる。

表の形と、それぞれが答えられる問い

主に示すもの答えられる問い答えられない問い
総額1 実額知事部局所管施設分の分野別の金額分野ごとの支出規模分野間の配分バランス(そのままでは読めない)
総額2 構成比分野別の割合配分の重心がどこにあるか全体の規模が増えたか減ったか
実額・構成比が一体の「総額」表(2011〜2013年度分)上記に相当する内容を一表で当該年度の分野別の状況他年度との接続(表の構成が異なる年度がある)

右端の列を意識しておきたい。構成比だけを見て「増えた」と言うことも、実額だけを見て「重点が移った」と言うことも、その表が答えられる範囲を越えている。

年度をまたいで読むときに確かめたい点

第一に、所管の範囲である。この表は知事部局所管施設分であり、教育委員会所管分とは別に集計されている。両者を足したものが地方の教育費の全体像に近づくのであって、片方だけを見て地方全体を語ることはできない。

第二に、対象期間である。表は201104-201203、201204-201303、201304-201403、201504-201603、201604-201703、201704-201803といった会計年度で区切られている。4月始まり3月終わりの区切りであることを踏まえないと、暦年の出来事と対応づけるときにずれが生じる。加えて、対象期間が年度ではなく「2012-12-21」という日付で示された表も一件ある。

第三に、同一年度に複数の表がある点である。2012年度分(201204-201303)にはsid=0003107450と0003107471、2013年度分(201304-201403)にはsid=0003130345と0003130513が並んでいる。表題はいずれも同一で、両者の掲載項目がどう違うのかは、この一覧の情報だけでは確認できない。参照する際は、どちらのsidを開いたかを控えておく必要がある。

第四に、分野の区分である。「教育分野別」と「生涯学習関連費」という枠組みがどう立てられているかを確かめないまま、分野名だけで中身を推測しない。範囲の定義が、数字の大小をそのまま左右する。

表名と対象期間が示していること

この統計を開く前に読めるのは、表名と対象期間だけである。「知事部局所管施設分」は集計の範囲を、「教育分野別」は数字が分野ごとに割られていることを、「教育費及び生涯学習関連費」は学校以外の費用も枠に入ることを、「総額1 実額/総額2 構成比」は答えられる問いの種類を、それぞれ示している。

年度をたどるとき、この表は一続きの時系列として並んでいるわけではない。2011〜2013年度分は一表、2015〜2017年度分は実額と構成比の二表、2014年度分は今回の一覧にない。同一年度に二つのsidが並ぶ箇所もある。数字を拾う作業は、まずこの並びの凹凸を把握するところから始まる。

出典