教育と子どもの世界統計
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中等教育への在籍をどう読むか――制度への接続と学びの持続性を示す統計

教育と子どもについて、世界の統計を定点観測する

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「在籍している」とは何を意味するのか

中等教育の就学統計は、子どもが学校制度の中にどの程度つながっているかを考えるための手がかりです。ただし、在籍率が高いことは、すべての子どもが同じ条件で学んでいることや、教育課程を修了していることを意味しません。

ドイツ語圏を含む各国では、中等教育への移行時期、学校の種類、職業教育との接続、義務教育の範囲などが異なります。そのため、国別の数値を単純に並べるだけでは、制度の違いが結果に混ざってしまいます。重要なのは、どの年齢層を対象にし、どのような在籍を数え、何を比較しようとしているのかを確認することです。

今回の指標群は、「学校に登録されている子どもはどの程度か」「年齢に合った段階に在籍しているか」「男女で差があるか」「公立と私立の構成はどうか」という異なる問いに対応しています。

純就学率と総就学率は、別の現実を映す

中等教育の純就学率は、制度上その段階に該当する年齢の子どもが、実際に中等教育へ在籍している割合を捉える指標です。年齢と教育段階の対応を重視するため、標準的な年齢で学校に通えているかを見るのに向いています。

一方、総就学率は、中等教育に在籍する子どもの総数を、制度上の対象年齢人口と比較する指標です。標準年齢より早く進学した子ども、進級の遅れによって年齢が高くなった子ども、再入学した人なども含まれ得ます。

したがって、総就学率は教育制度がどれほど多くの人を受け入れているかを広く見るのに役立ちますが、同じ年齢の子どもが同じ段階にいるかを直接示すものではありません。純就学率と総就学率の差がある場合、それは直ちに教育の良し悪しを示すのではなく、入学年齢、留年、再入学、教育段階の区分などを調べる必要があるという合図になります。

指標主に分かること読むときの注意
中等教育の純就学率対象年齢の子どもが該当段階に在籍している程度年齢と教育段階の対応を重視する
中等教育の総就学率中等教育に在籍する人を広く捉えた規模年齢が標準から外れる在籍も含み得る
男女別の純就学率女子と男子の在籍状況の違い平均の差だけで理由は判断できない
中等教育の男女平等指数男女の在籍割合の相対的な関係同じ値でも在籍水準そのものは異なり得る
私立中等教育の割合中等教育全体に占める私立部門の構成学校の質や家庭負担を直接示すものではない

男女差は「人数」ではなく関係として見る

男女別の純就学率は、女子と男子が中等教育に接続できている状況を分けて確認するための指標です。男女平等指数は、両者の割合を相対的に比較するものです。

ただし、男女平等指数が均衡に近いからといって、男女ともに十分な教育機会を得ているとは限りません。女子と男子の双方が低い水準にある場合にも、両者の比率だけを見れば差が小さく見えることがあります。反対に、男女差が確認されたとしても、その背景には通学距離、家計、就労、家族内の役割、学校施設へのアクセスなど、複数の要因が関係している可能性があります。

このため、男女別指標は、差の有無を発見する入口として使い、制度や生活条件に関する別の資料と組み合わせて読むことが大切です。

私立学校の割合から分かること、分からないこと

私立中等教育の割合は、中等教育に在籍する子ども全体のうち、私立学校に通う子どもがどの程度いるかを示します。これは、教育供給が公立部門だけで構成されているのか、それとも私立部門も大きな役割を担っているのかを考える材料になります。

しかし、この指標だけで、私立学校の方が優れている、あるいは公立学校の方が公平であると判断することはできません。私立の定義、財源、入学選抜、授業料、宗教的・職業的な特色は国によって異なるからです。また、私立の割合が高いことは、必ずしも家庭の負担が大きいことや、公立教育が不足していることを意味しません。

比較の前に確認したいこと

中等教育の統計を国際比較に使う際は、指標名だけでなく、対象年、対象年齢、教育段階の定義、データの欠測、学校種別の分類を確認する必要があります。特に、同じ「中等教育」でも、前期と後期をどのように分けるか、職業教育を含めるかによって見え方が変わります。

在籍率は、教育への入口や制度との接続を示す重要な指標です。しかし、修了、学習成果、出席の継続、学校内での経験までは、それだけでは分かりません。中等教育をめぐる状況を理解するには、純就学率、総就学率、男女別指標、男女平等指数、私立教育の割合を役割ごとに読み分けることが必要です。

出典

https://data.worldbank.org/indicator/SE.SEC.PRIV.ZS

https://data.worldbank.org/indicator/SE.SEC.NENR

https://data.worldbank.org/indicator/SE.SEC.NENR.MA

https://data.worldbank.org/indicator/SE.SEC.NENR.FE

https://data.worldbank.org/indicator/SE.ENR.SECO.FM.ZS

https://data.worldbank.org/indicator/SE.SEC.ENRR

https://data.worldbank.org/indicator/SE.SEC.ENRR.MA

https://data.worldbank.org/indicator/SE.SEC.ENRR.FE